一寸先は闇

去年からそうだが、今もうちに出入りする豊岡の鞄業界の会う生地屋、材料屋、同業、バッグメーカー、問屋の人たちはみんな景気が悪い、受注が少ないと言っている。

確かに地元の地場産業だけでなく国内の特に地方の縫製関係の製造業は悪いと思う。

近年の物価高が効いてて電気代、材料代、ガソリン代みんな上がっていて一部の富裕層以外は生活するだけで厳しく、鞄のような嗜好品に手が出せないと思う。

豊岡のカバンは特にこんな景気の悪さには厳しい。富裕層は普通にハイエンドのブランド物は買うし、中間層以下の一般人は鞄なんか1本持っていればいいし、買うとしてもノーブランドや海外製の安い鞄で十分なので、その中間にあたる豊岡のカバンはブランド力はハイブランドに及ばず、価格はノーブランドにも及ばずということで中々選ばれにくいんだと思う。

こんな状態が続けば豊岡の鞄業界はどんどん厳しくなるだろう。

販売だけでなく、作る側も高齢になった職人は普通に退職するけど、新しくこの業界に入ってくる人はそれを補うほど入ってこない。

技術職なのにそれに見合う賃金が上がらないのと品質にもどんどん厳しくなっていて頑張っても失敗すれば怒られ周りにも気を遣うので、この業界に入っても報われないことが多く要するに魅力がないのだ。

基本的にこの業界はOEM生産がメインなので受け身の産業故に自分からマーケットや消費者に魅力のある商品を企画し提案してあらたな売上を作るのが苦手なメーカーが多く、この状態が長く続くと売上の減少と、生産力の低下が進み悪循環に陥ってしまう。すでにそうなってきているが…

その予兆はコロナ過から感じているので私も小ながらTajima Cowhideシリーズを企画してシステムを作り、販売を開始した。残念ながらシステムの構築と生産まではできたがいかんせん営業や宣伝広告費までは資金がなくほとんどやってない(ノ∀`)

もともと、商品自体はシンプルでオーソドックスな作りで奇をてらったデザインではないがストーリーや取り組みに共感してもらえる人が少しずつ増えてじわじわとその和が広がってくれればいいなと思っていたのでじっくりやっていたけど、この状況はまずいのでちょっと販売を攻めてみようと思い、来月から全く新しい試みをします。来月にはいればその情報を発信しますのでこうご期待!?

これがうまくいけばうちだけでなく、仕事仲間にも仕事が発生するし豊岡の鞄業界や地元の但馬牛のPRにもなるので、大成功とはいかなくても多くの人に認知してもらえたらと切に願います。

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